偕に楽しむ|吉田松陰 リーダー コーチング
2022/09/10
最近読み始めた
吉田松陰著の
「講孟劄記(こうもうさっき)」に
こんなエピソードがありました。
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周(しゅう)の文王(ぶんおう)の楽しみは、
その御苑のうちの台池や鳥獣を楽しんだのではなく、
民衆がそれを作ることを楽しむのを見て楽しんだのである。
民衆の楽しみもまた、
御苑の台池や鳥獣を楽しんだのではなく、
文王の楽しんでおられるのを楽しんだのである。
かくして、王は民衆の、民衆は王の楽しみを
互いに楽しんだのであるが、
これを「偕(とも)に楽しむ」というのである。
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文王をチームのリーダー
民衆をチームのメンバー
に置き換えれば
リーダーとメンバーの
理想的な関係が
ここにあると言えるでしょう。
リーダーはメンバーの楽しみを
我が楽しみとし
メンバーはリーダーの楽しみを
我が楽しみとする。
つまり
リーダーはメンバーのためを
メンバーはリーダーのためを
思って行動することで
よい関係を生み
そのチームは
大きな成果をあげるのです。
一方で松陰は
「偕に楽しむ」の反意語は
「独り楽しむ」だとして
夏(か)の桀王(けつおう)の
例を挙げています。
独り楽しむ夏の桀王は
民衆から恨みを買って
その国は早く滅んでしまいました。
置き換えれば
リーダーはメンバーのことを顧みず
自分の楽しみだけを
追い求めてしまうと
そのチームは
成果をあげることはできない。
ということです。
吉田松陰は
中国の古典「孟子」から
このような教訓を得て
きっとこれを
松下村塾の塾生たちにも
伝えていたのでしょう。
明治維新の原動力となった教えには
現在のリーダー論にも
十分通じるものが
あったのだなと思いました。
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