穢れの思想|文化 思想 差別
2022/05/18
廃棄物処理業をしている人が
今だにこんなことを
言われることがあるそうです。
「ちゃんと勉強しないと
あんな仕事をしないと
いけなくなるよ。」
その人の仕事を見て
ある親が子どもに向かって
そう言ったのだそうです。
それを聞いて
悲しくなりましたが
汚いものを触る仕事を
避けたり、蔑んだりする。
そんな考え方が
日本人には古くから
染み付いてきているのだろう
と思います。
穢れ(けがれ)の思想
というものです。
元々は
血を連想させるもの
死に関係すること
争い事や和を乱すこと
に対する忌避が
穢れという考え方が
作られていったのですが
一般的に
汚いものを避ける
というところまで
広がっていったのでしょう。
穢れを祓うものとして
禊(みそぎ)という思想も
存在しています。
主に水や塩などを用いて
穢れを払拭し
清浄な状態にすることです。
これは
日本人の清潔感の
土台となっている面も
ありますが
一方で
差別を助長する思想としても
影響を与えているのです。
新型コロナウィルスに
感染した人を
まるで
悪いことをした人のように
批判したり
クラスターが発生した
団体や施設の人を
批判したりする。
ただ単に
ウィルスが付着している
という以上の
何か特別な感情を
抱いてしまうのも
穢れの思想が
影響を与えていると
言えるでしょう。
私たち日本人は
独特の思想や文化を
持っています。
もちろん
良い面もあり
それを守っていくことも
大切なことですが
それが
私たちの生活様式や考え方に
どんな影響を与えているか
客観視することも
とても大切なことだと思います。
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「差別の原因」