林業にみる抽象度
2021/09/07
テレビ番組で
林業の問題について
取り上げられていました。
「皆伐」と言って
山に生えている
全ての木を伐採してしまい
山が荒れてしまう
という問題です。
かつての日本では
林業は花形産業と言われ
木材の需要が高く
山の整備もしっかりと
されていたそうなのですが
外国の輸入木材が
安く入るようになって
国内の木材の価格も下がり
林業を続けていくためには
切るべきではない木まで
全て切ってしまい
お金に変えるという
業者が増えているというのです。
木が全て切られた山では
保水力がなくなるとか
土砂崩れが起きるといった
問題が起きてきます。
そんな中でも
心ある業者さんは
こんな話をしていました。
「今、お金になっているのは
私たちの前の時代の人たちが植えて
大きくなっている木です。
私たちの後の時代の人のために
恩送りをするという意味でも
質の高い山を守っていく
必要があります。」
短いタイムスパンで考えて
お金儲けをしようと思ったら
山に生えている木を
全て切った方が良いのですが
質のよい山を後世に残し
長く林業が続いていく
ように考えれば
今の売り上げが下がったとしても
計画的に少しずつ
木を切っていくことが
大切なのだそうです。
この考え方は
コーチングでお勧めしている
高い抽象度の
ゴール設定をすることと
似ているなと思いました。
今だけ
自分だけ
幸せになりたい。
という低い抽象度で
考えると
わずかな幸せしか
得ることはできませんが
長く
みんなが
幸せになればいい。
という高い抽象度で
考えることで
大きな幸せを
得ることができるという
考え方です。
林業は
人間の寿命よりも
長いタイムスパンで
考えることが
必要になる産業です。
林業に従事する人は
より高い抽象度を
持つことが求めらるのです。
しかしこれは
林業だけに限ったこと
ではないはずです。
今だけ、私だけ
でなく
長く、みんなが
幸せになれるように
高い抽象度の
考え方を身につけるために
林業から学ぶことは
大切だなと思いました。