人を大切にするとは
2021/06/14
教員時代に
授業名人の授業音声を
聞いていて
ハッとしたことがありました。
昨日ある人の講座を受けていて
似たような場面があったので
そのことを思い出したのです。
その授業名人とは
向山洋一先生です。
教育技術の法則化運動
を立ち上げ
後に
TOSSという研究団体を
作ったカリスマ教師です。
その向山先生の
授業音声の中で
こんな場面がありました。
ある子が
先生の発問を取り違えて
間違った答えを言ったのです。
そのとき向山先生は
このように答えました。
「うん、君が言っているのは
〜ってことだよね。
先生が聞いているのは
・・・ということなんだよ。」
間違った答えを
言った子に対して
それを否定するわけではなく
その子の言い分を
しっかりと認めているのです。
そして、
その後で自分の聞きたいことを
もう一度繰り返すのです。
相手に問題があるのではなく
こちらが聞きたいことが
相手に伝わっていなかったことが
問題だという考え方なのです。
このような丁寧な
対応をすることで
間違いを指摘されることを
恐れずに
積極的に発言しようという
その場の雰囲気が生まれます。
「何を聞いていたんだ。
違うじゃないか。」
という対応をされると
相手は萎縮してしまい
それを見ている周りの人も
間違いを恐れて
発言しようとしなくなるのです。
授業名人は
このような些細な場面での対応も
素晴らしいのだと
気づいた瞬間でした。
昨日の講座では
講師が
「続きを読んでください。」
と言われました。
受講者がそれに答えて
読んだのですが
読む場所を間違えたのです。
そのとき講師は
こう対応したのです。
「そうです。
これは今、私が読みましたので
その続きを、〜のところから
読んでください。」
人を大切にするなどというと
大きなことを言うようですが
このような些細な対応が
自然にできるということが
本当に人を大切にする
ということなのだと
改めて思いました。