その文化への参加
2021/05/26
抽象度を上げる
訓練をしてみましょう。
私たちが今いる
社会環境を
相対化する訓練です。
私たちが住んでいる
日本という国は
資本主義経済を
社会の仕組みとして
取り入れています。
私たちは
それが当たり前のこととして
受け入れてきていますが
資本主義に対して
共産主義という
考え方を取り入れている
国もあります。
資本を持つ人が
それを元に
事業を起こすなど
自由な経済活動を行う
という仕組みと
経済活動や
それによって得られた富を
国が管理して
適切に国民に配分していく
という仕組みとの違いです。
これらは
富(お金)をどのように
扱うかという考え方の違いですが
そもそも富(お金)という
概念が生まれたのは
人類が農耕生活を始めたからです。
収穫したものを貯蔵するという
習慣がなければ
富(お金)という
概念そのものが
存在しなかったのです。
人類が
狩猟採集生活をしていた頃は
その日に食べるものを
その日に獲るというのが
当たり前の考え方でした。
それらを貯蔵することも
ありませんでしたし
もし貯蔵したとしても
ほんのわずかな量だったはずです。
また
狩猟採集から農耕へと
生活様式が変わることで
自然と定住するようになり
土地所有という概念も
生まれてきました。
狩猟採集をしていた頃は
獲物を求めて常に移動する
生活をしていたため
「この土地は俺のものだ」
「いや、俺のものだ」
などという争いが
起きることもなかったのです。
富という概念や
土地所有という
概念が存在しなければ
富や領土をめぐっての
争いが起きない。
つまり
戦争という概念すら
存在しなかったでしょう。
そもそも
奪い合うものが
存在しないのです。
私たちが
当たり前だと感じる
現代社会の仕組みですが
それが
当たり前でなかった時代もあり
今なお
当たり前でない地域もあります。
国によって
その仕組みも違いますし
森の奥で
今も狩猟採集の生活を
している人たちも
いるのです。
そして私たちは
この国に住み
この国の政策に参加し
この国の文化に参加しているのです。
当たり前のもの
ではなく
この仕組みを採用し参加しているのは
自分自身なのだ。
自分で選んでいるのだ。
と考えてみてください。
そう考えた時
私たちは
誰かに押し付けられた人生ではなく
自分の人生を自分で作るという
自覚を持つことができるのです。
私たちがどう生きるかは
私たち自身で
決めていいのです。
資本主義経済の仕組みに則って
生きていくこともできますし
狩猟採集の生活を選ぶことすら
できるのです。