「人様に迷惑を
　かけてはいけない。」

そう教えられて育った人も
いるかもしれません。

私はこの教えは
自分のことを自分でする。
自分のことに責任を持つ。
という自立心を
持たせるための
方便だと考えています。

その方便（仮の手段）を
真に受けてしまい

それが人生の足かせと
なってしまっている
人もいます。

「人様に迷惑を
　かけてはいけない。」
という思いが強すぎて
なかなか人に
助けを求めることが
できないのです。

本来は
甘え心を戒めるため
だったものが

助けを求めるための
関係性を断つという
ところまで
その人の行動を
制限してしまって
いるのです。

そしてついに

「人様に迷惑をかけられない
　だから死ぬしかない。」

という考えにまで
至ってしまう人もいます。

「甘え」というのは
自分ができることを
人に頼むことであり

自分ができないことを
人に頼むのは
「甘え」ではなく
「頼る」ということなのです。

人に頼れず
孤立してしまう
そんな危険性を持つ
教えが
「人様に迷惑を
　かけてはいけない。」
という教えです。

私は
周りの人に適切に
頼ることを
もっと積極的に
教えた方がよい
と考えています。

人からの好意を
しっかりと受け取り
次の人に渡していく。

ギブアンドテイク
ではなく
ペイフォワード
の考え方です。

日本語にすると
「恩送り」
という言葉で
表現できるでしょう。

電車で席を譲られて
「いえ、結構です。」と
関係性を拒絶するよりは
「ありがとうございます。」
と素直にその好意を受け取り
人との関係性を
適切に保っていく力

それこそが
今の社会に必要な
力なのではないかと
思っています。