どこからでも一歩前進する
2020/08/22
先日
ある高校の
数学の先生と
お話をしました。
その先生が
私が教員時代に
やっていたことと
同じことを
話されていたのが
とても印象的でした。
それは
「わからなかったら
写してでもいいから
やってごらん
と言っている。」
ということです。
私も
学級でよく言っていました。
「写すのも
お勉強です。」と
問題が解けないで
いるこの横に
そっと近づいて
答えを見せて
小声で
「写して持っておいで。」
と言うのです。
もちろん
持ってきたら
大きく丸をつけ
「よくできたね。」
と言います。
このような指導法を
批判する教師もいました。
もちろん
そんな勉強が苦手な子にも
対応できるような
教育システムに
なっていないことが
そもそもの問題ですが
そのシステムの中で
精一杯できることを
考えてきたのです。
それが
「写すのも
お勉強です。」
という指導です。
そうしないと
その子は
その時間何もしないで
ボーッとしてしまう。
一歩も前に進まずに
終わってしまう。
それならば
写してでも
一歩前に進めば
それでいいと
思うのです。
他人と比べて
できていないとか
普通の勉強の仕方が
できていないとか
批判するのは
簡単ですが
その子が
その場所から
一歩踏み出すチャンスを
その子に合わせて
作るべきだと
思っていました。
人は過去を見て
自分がダメな人間だ。
と卑下してしまいます。
今までできなかった。
人よりも劣っている。
そう言って
そこから一歩進む
勇気を失っていくのです。
自分はダメな人間だから
何をしてもダメだ。
と
立ち止まって
その場にうずくまって
しまうのです。
しかし
どんな場所からでも
その人なりの
一歩を踏み出すことは
できるのです。
今まで白紙だった
ノートに
何かを書くこと。
それが
答えを写すこと
だったとしても
白紙よりは
遥かにいいのです。
他の人と比べて
どうこう言う必要は
ありません。
自分が今
どこにいるか
人と比べて
どうかよりも
そこから
一歩前進することを
考えてほしいのです。
「写すのも
勉強のうち。」
これで
素直に写してきて
丸をもらった子どもは
やがてテストで
100点を取ることが
できました。
高校の数学の先生が
同じことを
言っていたので
とても
嬉しく思いました。
今いる場所を
嘆くのではなく
そこから
一歩前進すること。
ゴールの達成は
そこから始まります。