苦しさから逃げてはダメ?
2020/06/26
いわゆる
道徳的な教えが
書かれた本で
「苦しさから
逃げてはダメです。」
といった
アドバイスが
見受けられます。
確かにその考えも
一理あって
そのような
表現が功を奏すことも
あるかもしれません。
しかし
コーチング的には
本質がズレている
と言わざるを
得ないのです。
そもそも
生命は
苦しみから
逃れるように
できているし
楽しみや
快楽を求めるように
できているのです。
もちろん
私たち
人間も例外では
ありません。
「苦しみから
逃げてはダメだ。」
という教えを
守ろうとして
体や心を
病んでしまったり
する人もいます。
では
どのように考えれば
いいのでしょうか?
それには
抽象度を上げて
考える必要があります。
生命は
苦しみから逃れる
ようにできている
のですが
人間は
他の生物とは違って
優れた脳の働きで
抽象度を上げて
考えることが
できるのです。
例えば
筋肉を鍛えるために
苦しいトレーニングを
する人がいます。
なぜ
苦しいことを
自ら進んで
行っているのでしょうか?
それは
その人にとっては
苦しいことではなく
嬉しいことだからです。
筋肉がついた
引き締まった体でいること
仕事やスポーツなどで
より高いパフォーマンスを
発揮することが
その人にとって
嬉しいことなのです。
だから
一見苦しいと見えるような
筋肉のトレーニングを
自ら進んで
やることが
できるのです。
「苦しみから
逃げてはダメだ。」
ではなくて
「それは本当は
苦しみではなくて
あなたにとって
楽しみにつながる
ことではないですか?」
ということなのです。
もちろん
抽象思考のできない
他の動物が
筋肉トレーニングを
することはありません。
しかし
人間は抽象度を
上げて考えることが
できるのです。
つまり
「苦しさから
逃げてはダメです。」
というアドバイスは
抽象度の低い
アドバイスなのです。
もっとその先の
時間的、空間的に
広い視点から
考えれば
それは
あなたにとって
楽しいことでは
ないですか?
という言い方こそが
抽象度の高い
人間にふさわしい
アドバイスなのです。
もちろん
高い抽象度から考えて
どうしても
苦しいとしか
思えないことは
即刻やめるべきなのです。
「苦しさから
逃げてはダメです。」
というアドバイスが
本質からズレているとは
こういうことなのです。