教えて考えさせる
2020/06/13
少し前に
小学校の教科教育の
指導法の世界で
「教えて考えさせる」
という指導法が
クローズアップされました。
東京大学名誉教授の
市川伸一先生が
提唱した指導法です。
一般の人から見れば
教えて考えさせるなんて
当たり前のことだ。
と思うかもしれませんが
それが当たり前
ではなかった
歴史があるのです。
「教えて考えさせる」
に対して
「教えずに考えさせ叱る」
とも言えるような
指導の現実が
あったのです。
やり方を教えていては
子どもたちの力がつかない。
まずは教えずに
やらせることが
大切だ。
という考え方です。
もちろん
その考え方には
それなりの理論が
あるのでしょうが
それがうまくいって
いなかったという
現実もありました。
この
「教えずに考えさせ叱る」
という教育の現実には
古くからの
職人の世界の
指導方法が
影響していると
思っています。
教えてもらうのではなく
自分で盗むのだ。
という指導法です。
この
職人の指導方法にも
それなりの
理論があり、
それなりの
成果を上げているので
しょうが
私は
そこに
大きな問題点を
感じるのです。
それは
教えずに自分なりに
やらせておいて
あとで
叱るという行為が
上下関係を
固定化し
知らず知らずのうちに
教える側の
支配欲を満たす
機能を果たして
しまっている
ということです。
つまり、
教える側が
自分は優れている
ということを
誇示する
ことになって
しまっているのです。
私は偉い
あなたは劣っている
という
上下関係を
作ることが
教える側と
教えられる側との
良好であるべき
人間関係を
損なってしまって
いるのです。
上司と部下
教師と生徒
親と子
教える側と
教えられる側の
人間関係が
悪くなってしまうのは
この
「教えずに考えさせ叱る」
という
古くからの師弟観が
影響していると
考えます。
上司と部下
教師と生徒
親と子
という人間関係に
悩んでいる人は
「教えずに考えさせ叱る」
という接し方に
なっていないかを
チェックしてみては
どうでしょうか。